99%舗装路

主にセロー250(DG17J)を整備した時に更新されるブログ。不定期更新です。

セロー250のリンク周りグリスアップ

セローのリンク周りをメンテナンスしてから約2年2万キロほど走ったので、清掃とグリスアップをしました。

本当はもう少し早くやろうと思っていたのですが、あまりにも寒くて後回しに…。最近は暖かくなってきて整備するにも良い気温なので、春を前に思い切って取り掛かりました。

ここは何度かやっているので、過去記事のリンクも貼っておきます。

セロー250のリアリンクを掃除 - 99%舗装路

セロー250のスイングアームブッシュをベアリング化 - 99%舗装路

セロー250にトリッカーのリンクプレート取り付け - 99%舗装路

 

とりあえず使った工具から。f:id:itohhhh:20220320165209j:plain20~110Nmのトルクレンチ

17×19mmのメガネレンチ

スピンナーハンドルとラチェット

ソケット色々22/19/17/14/10/8/ヘックス4mm/エクステ75mm

もうすこし少ない工具でも出来ますが、あくまで一例として。

 

f:id:itohhhh:20220320165223j:plainあとはサービスマニュアルに万能グリスとモリブデングリス、写真にはありませんがリフトスタンドも必要です。

 

車体を上げる前にカバーを外したり固いボルトを緩めます。

カバーは外さなくても出来ますが、邪魔になっちゃうので自分はいつも取ってます。f:id:itohhhh:20220324001049j:plainスプロケカバー→8mm×3(厚い工具は入らないかも)

チェーンガード上→8mm×2 チェーンガード下→10mm×2

 

f:id:itohhhh:20220320164604j:plain自分は樹脂製のアンダーガードを使っているので、念の為こちらも外しておきました。

 

アクスルシャフトも少し緩めておきます。緩めるだけです!f:id:itohhhh:20220320164615j:plainリアホイールアクスルシャフト→ボルト22mm/ナット19mm

 

f:id:itohhhh:20220320165158j:plainスイングアームシャフト→ボルト/ナット17mm

 

車体を上げてリアホイールを取り外しました。リアブレーキは突っ張らないように適当な場所に置くか吊り下げておきます。f:id:itohhhh:20220320164627j:plainホイールを取り外したら、カラーとか順番に入れておくと間違えにくいです。

 

泥よけとブレーキホースガイドを外しますf:id:itohhhh:20200516234703j:plain泥よけ→10mm×2 ブレーキホースガイド→10mm

 

ここからが本命のリンク周りです。

リンクプレート→リアサス取付部→フレーム取付部→スイングアームの順番で外していきます。下回りは砂やゴミが付着していることが多いので、ネジ山に少しパーツクリーナーを吹き付けて飛ばしておくのがおすすめです。

最初はリンクプレートから外します。f:id:itohhhh:20220324230956j:plainこの2つのボルトナットを外すわけですが、スイングアーム側(写真右上)はチェーンスライダーが邪魔で工具が入りにくいです。

 

f:id:itohhhh:20220320164701j:plainソケットはまず無理で、めがねレンチも厚いやつだと入りません。

 

そんな時はチェーンスライダーの裏側だけ外します。f:id:itohhhh:20220324231533j:plainf:id:itohhhh:20220320164727j:plainf:id:itohhhh:20220320165135j:plainこれで隙間が出来るので、そこから工具が掛けられます。

スイングアーム側のボルトを外すとスイングアームが垂れ下がってくるので、膝で支えるか適当な紐で吊っておくと良いかも。

またスイングアームの重みでボルトが抜けにくいと思うので、軽く揺すりながら抜いてあげてください。

リンクプレート→ボルト/ナット17mm×2 チェーンスライダー→ヘックス4mm

 

これでリンクプレートが外れました。f:id:itohhhh:20220320164742j:plainワッシャーはナット側のみに入ってます。

 

次にリアサスとフレームの取り付け部分を外します。f:id:itohhhh:20220324232344j:plainここは狭いので大きい工具だと入らないかも。

リアサス取付部→ボルト17mm/ナット14mm フレーム取付部→ボルト/ナット17mm

 

これでリレーアームが取り外せました。f:id:itohhhh:20220320164900j:plain写真は掃除した後ですが、カラーなどにグリスは残ってて良い感じでした。

 

リレーアームのメンテナンスならここまで外せば出来ますが、前回スイングアームに入れたベアリングも見ておきたいので外します。f:id:itohhhh:20220320164813j:plain

 

スイングアームにもカラーが2本入ってます。f:id:itohhhh:20220320164836j:plain裏側のリンクプレートを取り付ける部分に1本。

 

f:id:itohhhh:20220320164849j:plainそしてフレームに繋がる部分に1本。左右にカバーも付いてます。

 

f:id:itohhhh:20220320164940j:plain前回入れたベアリング。グリスもしっかり残っており、特に問題は無さそうです。

 

あとはひたすら掃除します。ブッシュに直接パークリを吹き付けるのは良くなさそうだったので、その辺はウエスを突っ込んで拭き取る感じにしました。f:id:itohhhh:20220320165021j:plainカラーは若干跡があるものの、問題なさそうなレベルでした。ここが錆びて固着すると、リアが動くたびにキィキィと大きな音が鳴ります(経験談)

 

f:id:itohhhh:20220320164825j:plainさっき1本だけボルトを外したチェーンスライダーも外して掃除します。割りと削れてきてるので、そのうち交換しようかな。

そしてこの辺は綺麗にしようとするとキリが無いので、大体で良いです…。

チェーンスライダー→ヘックス4mm×2(全部で3)

 

一通り綺麗にしたらグリスアップして取り付けていきます。

マニュアルの指定は二硫化モリブデングリスですが、調べているとウォータープルーフ系の青いグリスもおすすめらしいです。

自分はAZの二硫化モリブデングリスを使いました。ホームセンターなら多分どこにでも売ってる蛇腹のやつです。400円ぐらい。f:id:itohhhh:20220320165234j:plain80gと400gの物がありますが、個人で使うなら80gでも十分です。

そのままでは使いにくいので、100均で買った適当な容器に移し替えて使ってます。

 

グリスアップは潤滑と言うより水や異物からの保護が目的なので、多めに塗ってはみ出した分を取る感じです。

ベトベトで写真を撮れなかったので、さっきの写真で軽く説明を。f:id:itohhhh:20220320164900j:plainこの写真だとカラーとボルト4本ずつに塗り、収まっていた取り付け穴にも詰めておきます。ネジ山には極力付かないように!

 

スイングアームも同様に塗ったり詰めたり。f:id:itohhhh:20220320164836j:plainf:id:itohhhh:20220320164849j:plain長いカラーは真ん中がグリス溜まりの凹みになっているので、そこは多めに塗っておきます。左右のカバーの内側にも多めに。

写っていませんが、もちろんシャフト(ボルト)にも塗っておきます。

 

 

取り付けていきます。順番は外した時の逆で、スイングアーム→リレーアーム(フレーム)→リアサス→リンクプレートです。

取り付ける時はネジ山に付いたグリスを綺麗にするのと、緩み防止ナットの向きやワッシャーの有無に注意します。

 

最初にスイングアームをフレームに取り付けました。本締めは車体を下ろしてから。f:id:itohhhh:20220320165046j:plainこの時にチェーンを通しておかないと後でやり直す羽目になります…。

 

次にリレーアームをフレームに取り付けます。f:id:itohhhh:20220320165058j:plain幅が違うので付くようにしか付きませんが、アームの長い部分がフレーム側です。ここは工具が入らなくなるので、先に規定トルクで本締めしておきます。

 

リアサスも取り付けました。f:id:itohhhh:20220320165109j:plainここも同じように本締めします。

 

リンクプレートをリレーアームとスイングアームに取り付けます。

スイングアームの高さが合わないと入りにくいので、ちょうど良い位置を探ってください。f:id:itohhhh:20220320165146j:plainここも規定トルクで本締め。これでスイングアームはほぼ動かないぐらい固定されます。

 

f:id:itohhhh:20200516234751j:plain微妙に隙間ができますが、こういう設計らしいです。

 

あとはリアホイールアクスルシャフト周りに万能グリスを塗ってホイールを取り付けるだけですが、くたびれてしまい写真は撮ってませんでした…!f:id:itohhhh:20220320165246j:plain車体を下ろしてからスイングアームシャフトとアクスルシャフトを本締めして、泥よけ等を戻して完成です。

掛かった時間ですが、写真撮ったり休憩したりで3時間半ぐらいでした…。

整備する時はいつもニトリル手袋をしているのですが、写真を撮るたびに着け外すのが地味に面倒です。いっそのこと動画で撮った方が楽な気もします。

 

乗った感想ですが、リアの動きが良くなった気がします。元々状態は悪くなかったのでプラシーボ効果でしょうけど、綺麗になったので良しとします。f:id:itohhhh:20220320165257j:plainf:id:itohhhh:20220326182609j:plain