セローのリンク周りをメンテナンスしてから約2年2万キロほど走ったので、清掃とグリスアップをしました。
本当はもう少し早くやろうと思っていたのですが、あまりにも寒くて後回しに…。最近は暖かくなってきて整備するにも良い気温なので、春を前に思い切って取り掛かりました。
ここは何度かやっているので、過去記事のリンクも貼っておきます。
セロー250のスイングアームブッシュをベアリング化 - 99%舗装路
セロー250にトリッカーのリンクプレート取り付け - 99%舗装路
とりあえず使った工具から。20~110Nmのトルクレンチ
17×19mmのメガネレンチ
スピンナーハンドルとラチェット
ソケット色々22/19/17/14/10/8/ヘックス4mm/エクステ75mm
もうすこし少ない工具でも出来ますが、あくまで一例として。
あとはサービスマニュアルに万能グリスとモリブデングリス、写真にはありませんがリフトスタンドも必要です。
車体を上げる前にカバーを外したり固いボルトを緩めます。
カバーは外さなくても出来ますが、邪魔になっちゃうので自分はいつも取ってます。スプロケカバー→8mm×3(厚い工具は入らないかも)
チェーンガード上→8mm×2 チェーンガード下→10mm×2
自分は樹脂製のアンダーガードを使っているので、念の為こちらも外しておきました。
アクスルシャフトも少し緩めておきます。緩めるだけです!リアホイールアクスルシャフト→ボルト22mm/ナット19mm
スイングアームシャフト→ボルト/ナット17mm
車体を上げてリアホイールを取り外しました。リアブレーキは突っ張らないように適当な場所に置くか吊り下げておきます。ホイールを取り外したら、カラーとか順番に入れておくと間違えにくいです。
泥よけとブレーキホースガイドを外します。泥よけ→10mm×2 ブレーキホースガイド→10mm
ここからが本命のリンク周りです。
リンクプレート→リアサス取付部→フレーム取付部→スイングアームの順番で外していきます。下回りは砂やゴミが付着していることが多いので、ネジ山に少しパーツクリーナーを吹き付けて飛ばしておくのがおすすめです。
最初はリンクプレートから外します。この2つのボルトナットを外すわけですが、スイングアーム側(写真右上)はチェーンスライダーが邪魔で工具が入りにくいです。
ソケットはまず無理で、めがねレンチも厚いやつだと入りません。
そんな時はチェーンスライダーの裏側だけ外します。これで隙間が出来るので、そこから工具が掛けられます。
スイングアーム側のボルトを外すとスイングアームが垂れ下がってくるので、膝で支えるか適当な紐で吊っておくと良いかも。
またスイングアームの重みでボルトが抜けにくいと思うので、軽く揺すりながら抜いてあげてください。
リンクプレート→ボルト/ナット17mm×2 チェーンスライダー→ヘックス4mm
これでリンクプレートが外れました。ワッシャーはナット側のみに入ってます。
次にリアサスとフレームの取り付け部分を外します。ここは狭いので大きい工具だと入らないかも。
リアサス取付部→ボルト17mm/ナット14mm フレーム取付部→ボルト/ナット17mm
これでリレーアームが取り外せました。写真は掃除した後ですが、カラーなどにグリスは残ってて良い感じでした。
リレーアームのメンテナンスならここまで外せば出来ますが、前回スイングアームに入れたベアリングも見ておきたいので外します。
スイングアームにもカラーが2本入ってます。裏側のリンクプレートを取り付ける部分に1本。
そしてフレームに繋がる部分に1本。左右にカバーも付いてます。
前回入れたベアリング。グリスもしっかり残っており、特に問題は無さそうです。
あとはひたすら掃除します。ブッシュに直接パークリを吹き付けるのは良くなさそうだったので、その辺はウエスを突っ込んで拭き取る感じにしました。カラーは若干跡があるものの、問題なさそうなレベルでした。ここが錆びて固着すると、リアが動くたびにキィキィと大きな音が鳴ります(経験談)
さっき1本だけボルトを外したチェーンスライダーも外して掃除します。割りと削れてきてるので、そのうち交換しようかな。
そしてこの辺は綺麗にしようとするとキリが無いので、大体で良いです…。
チェーンスライダー→ヘックス4mm×2(全部で3)
一通り綺麗にしたらグリスアップして取り付けていきます。
マニュアルの指定は二硫化モリブデングリスですが、調べているとウォータープルーフ系の青いグリスもおすすめらしいです。
自分はAZの二硫化モリブデングリスを使いました。ホームセンターなら多分どこにでも売ってる蛇腹のやつです。400円ぐらい。80gと400gの物がありますが、個人で使うなら80gでも十分です。
そのままでは使いにくいので、100均で買った適当な容器に移し替えて使ってます。
グリスアップは潤滑と言うより水や異物からの保護が目的なので、多めに塗ってはみ出した分を取る感じです。
ベトベトで写真を撮れなかったので、さっきの写真で軽く説明を。この写真だとカラーとボルト4本ずつに塗り、収まっていた取り付け穴にも詰めておきます。ネジ山には極力付かないように!
スイングアームも同様に塗ったり詰めたり。長いカラーは真ん中がグリス溜まりの凹みになっているので、そこは多めに塗っておきます。左右のカバーの内側にも多めに。
写っていませんが、もちろんシャフト(ボルト)にも塗っておきます。
取り付けていきます。順番は外した時の逆で、スイングアーム→リレーアーム(フレーム)→リアサス→リンクプレートです。
取り付ける時はネジ山に付いたグリスを綺麗にするのと、緩み防止ナットの向きやワッシャーの有無に注意します。
最初にスイングアームをフレームに取り付けました。本締めは車体を下ろしてから。この時にチェーンを通しておかないと後でやり直す羽目になります…。
次にリレーアームをフレームに取り付けます。幅が違うので付くようにしか付きませんが、アームの長い部分がフレーム側です。ここは工具が入らなくなるので、先に規定トルクで本締めしておきます。
リアサスも取り付けました。ここも同じように本締めします。
リンクプレートをリレーアームとスイングアームに取り付けます。
スイングアームの高さが合わないと入りにくいので、ちょうど良い位置を探ってください。ここも規定トルクで本締め。これでスイングアームはほぼ動かないぐらい固定されます。
微妙に隙間ができますが、こういう設計らしいです。
あとはリアホイールアクスルシャフト周りに万能グリスを塗ってホイールを取り付けるだけですが、くたびれてしまい写真は撮ってませんでした…!車体を下ろしてからスイングアームシャフトとアクスルシャフトを本締めして、泥よけ等を戻して完成です。
掛かった時間ですが、写真撮ったり休憩したりで3時間半ぐらいでした…。
整備する時はいつもニトリル手袋をしているのですが、写真を撮るたびに着け外すのが地味に面倒です。いっそのこと動画で撮った方が楽な気もします。
乗った感想ですが、リアの動きが良くなった気がします。元々状態は悪くなかったのでプラシーボ効果でしょうけど、綺麗になったので良しとします。